道ですれちがうあの人にも、物語がある。それがかぎ括弧付きの大きな物語であろうと、名も無き変哲も無い日常であろうとも、恵まれていようが、困難に満ちたものであろうとも。その物語を尊重しながら、そのほんの一部である病気や症状の話しを聞く。
じっと母親をみるこどもの口元に耳を近づけて、自分の声で訴えるのを聞く。
関係ない、庭先の木の様子の話しが、病気や老いの心配と結びつくのを待つ。
ひとつの方向に加速度を持って進む物体が、病気や心配で減速したり方向転換させられたりすることが、いかに困難か。さて、医療でなにか助けになるものかに全力で取り組む。
なにげない日常を扱っているレイモンド・カーヴァーが好きで、定期的に読んでいる。
Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)
- 作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1997/10
- メディア: 文庫
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本人の文も好きだけど、村上春樹さんの翻訳もいい。困難に出会ったひとと向き合う時にいつも、A Small, Good Thingを思い出す。困難に直面したときこそ、困難への対処とともに、日常の部分を支える。そう心がけている。
http://christchurchlr.org/wordpress/wp-content/uploads/2010/08/A-Small-Good-Thing.pdf